決算/福岡市の税理士事務所


決算対策

━━━決算対策とは?

  •  決算対策を税金対策と勘違いされることがありますが、必ずしもそうとは限りません。
  •  決算をするということは、すなわち決算書(主に財政状態を表す「貸借対照表」と経営成績を表す「損益計算書」があります)を作るということになりますが、その目的あるいは役割はいろいろです。
  •  第一には、経営者自身の経営のために、第二には、株主・債権者などの外部の利害関係者に見せるために、と言えますが、実際の中小企業においては、その見せる相手である税務署と金融機関を意識した決算書作りが行われています。
  •  決算書は過去の活動結果を表すものですから、いまさら事実を歪めて作ることなどはできません。
  •  しかしながら、決算の後に、決算書に基づいて申告・納税をする、銀行に決算書を提出して融資を申し込む、となるとやはり、次の決算に向け何かしらの対策を立てようと考えるのは当然の姿勢でしょう。
  •  その対策も会社の事情により異なるものとなります。
  •  資金が潤沢にあり、単純に税金を抑えようと考えるのなら、節税や浪費に走ればよいと思います。逆に、すこしでも黒字を出したいと考えるのなら、経費削減に努めればよいと思います。
  •  でも、話はそう単純でもありません。節税も現金支出を伴うものが多く、税金を抑えることで資金繰りを悪化させることもあります。逆に経費を削減し過ぎて、会社の成長を鈍らせることもあります。 税理士の決算対策
  •  大事なのはバランスだと思いますが、私なりの結論を言えば、「企業は税金をたくさん払うほど成長する」、ということです。単純な結論ですが、成長するには利益が必要、利益を出せば税金をたくさん払わなければならない、という意味です。利益を生むための支出が先にあって、その後に節税を考えてみる、ぐらいでちょうど良いのではないでしょうか。

━━━融資を受けるためには?

  •  決算書の内容次第です。黒字であること、債務超過でないこと、これらは当然のことです。
  •  しかし、中小企業への融資は、会社と経営者が一体として判断せれますので、必ずしも黒字でないと融資を受けられないということではありません。
  •  例えば、社長からの借入金は負債ではなく自己資本とみなされたり、赤字の場合でも社長へ支払う役員報酬の一部が返済原資と見られたり、社長の経営改善に取組む姿勢や過去の返済実績が評価されたり、あるいは、会社の将来性(技術力や販売力)が評価されることもあります。
  •  実際に融資を申し込むときは、決算書の内容についてきちんと説明ができること、経営改善に取組む姿勢を明確に見せることが重要です。

LinkIconご参考1(金融検査マニュアル別冊 〔中小企業融資編〕)
LinkIconご参考2(知ってナットク!中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識〔事例集〕)



━━━節税とは?

  •  世に出ている『節税』マニュアルのような本を数冊読んで見た感想は、あまり参考にならない、ということでした。
  •  当然知っていることがほとんどですし、税理士でないと判断を誤ることもあります(特別償却、役員報酬、生命保険、など)。
  •  節税といっても、単なる納税の繰延べに過ぎないもの、本当の節税となる処理方法あるいは経理方法、ただの無駄遣い、の三種類の性格のものがあります。また、税法には「原則」と「特例」があって、この特例を適用することで節税になることがあります。しかし、その判断はやはり税理士でないと難しいものも多いでしょう。税理士の節税
  •  また、自分でする節税には浪費的支出が多く、かえって無駄な支出になることもあります。税金を40万円安くするために経費を100万円分使って、その100万円分がすべて無駄なものであったなら、せっかく税金が40万円安くなっても差引60万円が失われるだけで終わってしまいます。
  •  もちろん、将来収益を生み出してくれそうなもの(人材確保、教育訓練、商品開発、広告、合理化のための備品など)や処分価値のある換金可能な資産に対する支出は積極的に検討する価値があります。